人を惹きつけるもの

少し前の案件に、「ナッジ理論を踏まえた絵作り」を依頼されました。

 

 

…ふむふむ。な、ナッジ理論?え?なにそれ?

 

 

と、思われた方。

 

 

安心してください。僕も知りませんでした(^^;)

その後、先方の依頼書を読んだり調べてみてわかりましたが、この“ナッジ理論”は行動経済学から生まれた言葉で

「ヒジで軽く突くような小さなアプローチで、人の行動を変える戦略」という意味があるそうです。

なんでもノーベル経済学賞を取るくらい有名なワードでした。勉強不足ですみません。

ただこれについての事象は、決して新しいものではなくて

 

 

 

例えば、授業中に児童がギャーギャー騒いでいるとします。

 

 

 

そこで先生が「うるさい!!!静かにしなさい!!」と叱ると、

もちろん教室は静まりますが、両者とも嫌な雰囲気に包まれたまま授業を続けることになります。

 

 

ここでナッジ理論です。

 

先生が「あなたたちはもう3年生です。今は喋っていていい時ですか?今は何をする時間ですか?」と語りかけます。

 

児童たちは『あ、そうだった。今は授業中だ。先生の話を聞かなきゃ。』となり、

自主性を促すことで、嫌な雰囲気になることもなく、両者ともいい雰囲気のまま授業を続けることができました。

 

 

 

昔を思い返すと、そんな先生いましたよね。大抵子供達に人気があったように思います。

こんな先生もいたな。これもナッジ理論??

先生:〜だからこの場合、この公式は使えー?

生徒:るー。

先生:いや、ないんだね。使えません。

生徒:……。

 

みたいな。

少しちゃうかもですが、授業に意識を向ける部分では同じ手法なのかもしれません。

 

少しずれてきましたが、広告業界においてもこのナッジ理論を用いようと工夫をしたり

今回のように依頼をされたりしていますが、以上の事例を見てわかるように

新しいことでははなくて、僕たちの業界でも他業界でも昔から考えていた技法かなと思います。

 

「うちの今売りたい商品はこれです!」

と、ベタベタな広告よりも

○でお困りではありませんか?それなら×××××ができるこの商品!

と、一旦見る側に「あそういえば、困ってるかも」と考えさせ商品訴求に誘導する。

よく使われるこの技法もナッジ理論だといえますね。

 

完璧な写実派の絵画よりも、観る側に少し考えさせる(共感させる)印象派の絵画の方が

人気があるのはこの理論が説明しているような気がします。

一寸の狂いもなく完成されたものよりも、未完成のものの方に人の目は向けられるのです。

 

 

それから、子供を惹きつけてやまないゲームなんか間違いなくこの手法なのかなと思います。

ゲーム製作者の手のひらの上にいるはずなのに、さも自分で操作しているかのように

未完成のストーリーを少しづつ完成へ近づけて行き、ゲーム製作者の意図した世界へひきずりこむ。

 

 

 

どの場合も、未完成なものに惹かれる心情としては、「完成させたい!」という欲求からくるようですね。

 

 

自分なりにまとめると、

まず、その見せ方が具体的であれ、抽象的であれ、未完成な部分を見せます。

見る側に興味を持ってもらい「完成させたい!」という欲求から、

こちらの訴求内容へ誘導し共感を得ることで、商品の購買意欲や啓蒙啓発に役立てる。

 

こんな感じでしょうか???

 

なんだかんだ言ったって、このブログだってこのナッジ理ろ…

ん?…おっと。社長から内線が…

 

 

切り口は無限にあるようですが、昔から使われるこの手法・論理に注目し名前をつけるなんて

学者さんはすごいなと言った、今回のお話でした。

 

toTop